自閉症の特徴である強いこだわりの原因と対処法
自閉症は、脳の障害で起きる発達障害です。
コミュニケーションを取るのが難しかったり、独特な行動や考え方を持つ特徴があります。
本人や親の教育の問題ではなく、あくまでも先天性の脳の障害であるために、それなりの理解が必要になります。
この自閉症の特徴の1つに、強いこだわりを持つことが挙げられます。
強いこだわりとは、自分が認めたこと以外は認めたくないという気持ちです。
例えば、お気に入りの服をずっと着たりすることや、いつもとは違った方法に対して極端に嫌がります。
他には食べ物にも強いこだわりがあり、同じものしか食べないなどの偏食が目立つ場合も多いです。
なぜこのような強いこだわりを持つのかは、変化に対する不安をひどく感じてしまうからです。
自閉症の人は想像力を持つ場合も困難で、そのために新しいことを受け入れられずにいます。
一般的に見れば視野が狭いと思われがちですが、視野を広げようとする試みを持てないのが自閉症の特徴です。
やはり原因が脳の障害であるため、発達が追いついていない状態から無理に言い聞かせようとするのは大変です。
新しいことには未知なる恐怖を感じてしまうので、強いこだわりがあるという特徴をまずは受け入れなければいけません。
自閉症の強いこだわりへの対処法は、専門的な教育を行う療育が役に立ってくれます。
療育は主に幼少の子供を教育していく場ですが、大人になっても医療機関などで行われています。
ここで言葉の発達の練習や、心理面や行動面において訓練していく形となります。
発達の専門である保健師の人が、1対1または集団で分かりやすく丁寧に指導を行っていきます。
症状の程度により療育の期間は時間がかかる場合もありますが、いい意味で変化が見られるようになります。
新しい環境に定期的に通えば慣れが生じるようになり、特徴的な強いこだわりも次第に落ち着いてくることが期待されます。
このような自閉症の特徴は、専門機関以外でも、特に家庭ではいろいろな工夫を行いつつ、地道な努力が必要です。
いつも同じ行動を起こす場合は、起こさないように場所や物を変えてみたり、食事も毎日違うものを与えるという工夫が大切です。
当然本人はパニックを起こしますが、それを上手く乗り越えていくようにすれば、毎日の新しさが普通になっていきます。
しかし、ここだけは強いこだわりが特に目立ち、手が付けられない場合はそれをあえて受け入れるのも1つの対処法です。
自閉症の特徴は人によっても多少違い、完全にその特徴を改善していくのは無理があります。
他人に迷惑がかからない範囲で、強いこだわりを認めるのも自閉症との上手な付き合い方となるのです。