陣痛促進剤は自閉症の原因となるのか
自閉症になる原因はさまざまな説があり、はっきりとはされていません。
それについて世界中で長年研究が行われており、対象者をもとにその研究結果がいくつも出されてきました。
その中で衝撃的な研究発表があり、それは出産時に陣痛促進剤を使用すると乳児への自閉症のリスクが高くなるというものです。
これは2013年にアメリカで発表された研究論文で、8年間にわたり出生件数の62万5000件を調査した結果に基づいています。
その調査結果が、陣痛促進剤の使用と不使用を比べると、男児の自閉症の割合が35%も高くなることがわかったとあります。
女児に対しては微増という結果となり、いずれも自閉症と陣痛促進剤に対する関連性があると述べられました。
それに対してあくまでも関連性であり、因果関係はないとも報告されています。
つまり、自閉症の原因が陣痛促進剤にあると断定されたわけではありませんが、それでも関連性が認められています。
男児にいたっては明らかに増加しており、原因とはされていなくても、陣痛促進剤への不安が強くなってしまった人もいるかもしれません。
そもそも、陣痛促進剤を使用する目的は何なのでしょうか。
理由は1つに限らずさまざまな場合があり、出産予定日の超過や感染症、高血圧でも勧められることが多いです。
母体や胎児を守る目的として、医師の判断で一部の妊婦の人たちが使用していきます。
研究論文では調査結果の内容がメインとなり、陣痛促進剤に対する母体や胎児への悪影響については詳しくされていません。
しかし、陣痛促進剤の働きは人工的な子宮収縮です。
子宮を収縮させて陣痛を促していく働きとなり、自閉症の原因としてこれが胎児に何らかの影響があるのではという見方もできます。
自然分娩の場合は、初産であると陣痛はそれなりの時間を要します。
これに対して人工的な陣痛は、時間が短縮されます。
そのために短い間に一気に陣痛がくるため、激しい痛みを感じてしまう妊婦の人もいるのです。
ただし、これは個人差があり、必ずしも人工的な陣痛が胎児によくないとは言えません。
自閉症になる原因と決めつける必要はなくても、心配なときは前もって医師に確認しておくのもいいでしょう。
最近の日本での出産に関して、陣痛促進剤と同時に帝王切開を行う件数も増えてきています。
病院側の安全に対する傾向が強くなってきた理由もありますが、1つは高齢出産の増加も指摘されています。
高齢出産も自閉症の確率を上げる原因とされていますがこれもあくまで傾向であり、高齢の母親にだけ原因があるわけではないのです。
陣痛促進剤を使用しなければ母体や胎児のリスクが高まってしまう場合もあるため、このお蔭で無事に出産できた人も多いです。
自閉症との原因をあまり考えすぎないことも大切ですが、それよりも妊娠中は健康に気を付けた生活を心がけていかなければいけません。