乳児が自閉症になる原因と対処法
自閉症は先天性の発達障害であり、心の病気ではありません。
脳に障害が起こることで機能がうまく働かなくなり、目や耳からの情報をうまく整理することができなくなります。
脳に障害が起こる原因は、胎児の時に何らかの理由で中枢神経が十分に発達しなかったためと考えられていますが、まだ原因は明らかになっていません。
ただし、育て方や環境などの後天的な理由で発症しないことは医学的に証明されています。
自閉症の主な特徴は社会性やコミュニケーション能力、想像力が欠如していることです。
乳児の場合はこれらに加えて多動や物事がいつも決まった状態にあることに強くこだわるという特徴があります。
また、意思の疎通がうまくとれなかったり、感覚異常や睡眠異常を起こすといった特徴もあります。
感覚異常になると視覚や聴覚などの感覚が脳でうまく処理できないので、様々な感覚に対して極度に過敏になったり鈍感になったりします。
睡眠障害になると睡眠のリズムが上手くつかめないので、睡眠時間が極端に短い時期が続きます。
自閉症は一般的に3歳までは判断が難しいとされていますが、成長の過程で以下のような症状が現れる場合があります。
生後3か月頃にはママと目を合わせない、笑わない、抱っこを嫌がるなどの症状が現れることがあります。
生後6か月頃には常に落着きなく動き回る多動の傾向がみられることがあります。
1歳頃になると母親の手を自分の手の代わりに使うクレーン現象を見せたり、言葉の発達の遅れや偏りがみられることがあります。
また、周囲の呼びかけに応じなかったり、親や周囲の人のまねをしないなどの傾向があります。
自閉症は先天性の脳の機能障害なので完治することはありませんが、教育の仕方によっては症状を改善することが可能です。
早い時期から自閉症児にあわせたしつけや教育を行うことで他の子と変わらずに成長していくことも可能なので、少しでも疑いがあれば早めにかかりつけの病院などに相談することが大切です。