自閉症と知的障害の違いとその特徴
自閉症とは一般的に先天性の疾患であると言われていますが、知的障害は発達期までに生じた障害によって理解力・判断力・思考力・記憶力などの認知能力に遅れが出ている状態を指します。
この記事では、自閉症者と知的障害者の違いと特徴について説明し、彼らとうまくコミュニケーションをとる方法についてお伝えします。
1.自閉症特徴(1)社会性の発達の障害自閉症者は目を合わせようとしない、注意を受けているのに笑ってしまう、また人と関われないもしくは積極的に関わろうとしすぎるなど人と適切な距離をとることを苦手としています。
特徴(2)コミュニケーションの障害自閉症者は話しかけられても返事が出来ない、その場にあった適切な言葉が出てこない、指さし・目配せなど言葉を使わないコミュニケーションの意味が分からないなど円滑なコミュニケーションをとることを苦手としています。
特徴(3)活動と興味の偏り自閉症者はいつも同じ道しか通らない、同じ順序で物事を行うことに強いこだわりを見せるなど、変化を極端に嫌うことがあります。
また、標識や数字、アルファベットに強い興味を持ち、時刻表などを覚えるケースもあります。
また、自閉症とほかの障害(学習障害やLDなど)を併発する場合もあります。
人によっては感覚が鋭かったり、鈍感だったりするケースがあります。
皮膚の感覚が鋭く、軽く触られただけで痛みを感じる人もいるようです。
2.知的障害知的障害は軽度・中度・重度・最重度の4段階に分類されます。
軽度の場合日常生活は通常通り行うことができますが、段階が上がるにつれ介助が必要になります。
特徴(1)言語発達の遅れ軽度知的障害の場合、簡単な文章で意思表示が可能ですが漢字の習得は苦手です。
中度の場合はお釣りの計算が出来ない、重度・最重度の場合は言葉をほとんど発することが出来ないなど日常生活に支障をもたらします。
特徴(2)運動能力の遅れ主に中度知的障害〜最重度知的障害にみられ、軽い場合は衣服の着脱がやや苦手、重い場合は排泄が困難になります。
特徴(3)情緒発達の遅れ知的障害者は感情のコントロールが苦手ですぐに怒ってしまうなど感情の起伏が激しい場合があります。
また、自分の気持ちを伝えるのが苦手なため、幼児期ではあまり泣かないなどの特徴が挙げられます。
自閉症・知的障害者とコミュニケーションをとる場合は、彼らの特徴を考慮し、ゆっくりと静かに、簡単な表現で話しかけるようにしましょう。
また、曖昧な表現や質問が苦手なため、はっきりとわかるような表現で伝える、質問ではなく選択をさせる、写真や絵を利用しながらコミュニケーションをとるよう心がけましょう。