果たして自閉症は治るのか
「自閉症は治るのか。
」
こんな疑問を持つ方は多くいらっしゃるでしょう。
そして、「治療をすれば自閉症は治る。
」という、間違った認識を持たれている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、「自閉症は治るものではない。
」という事実があります。
自閉症は脳の障害のため、完治するという事はありません。
脳に問題を抱えているため、それが全く無くなる、という事は無いのです。
しかし、適切な療育を施し、働きかけをする事によって、出来る事が増えていく事もまた、事実です。
療育により、問題視される行動が減り、日々の生活を落ち着いて過ごす事が出来るようになります。
障害を持たない子に追いつく事は難しいけれど、その差が広がらない様に、少しずつ縮めて行く事は可能、という事です。
それには、家族の理解や協力が不可欠です。
では、療育とは一体どのような事をするのでしょうか。
スポンサーリンク療育とは「治療教育」の略語です。
知的障害などのハンディを持っている方が、少しでも生きやすく、生活しやすくなるように、その能力を少しでも伸ばす事を目的とします。
自閉症の場合は、耳で聞くより目で見たほうが物事を理解しやすい、という特徴があるので、言葉ではなくイラストや文字、写真などを使ってコミュニケーションを取る方法などを学んでいきます。
また、社会の中で生活が出来るようになる為の方法も学びます。
公共の乗り物に乗る時のマナー、買い物の方法、などを根気強く繰り返し教えていきます。
何度も何度も繰り返す事によって、少しずつ出来る事を増やしていくのです。
家族も、どのようにすれば環境を整えてあげられるかを一緒に学びます。
症状も成長の度合いも人それぞれ違いますので、その時々に合わせて、一人一人の成長に合ったものを学ぶ必要があります。
一人一人に合わせて工夫をする事により、その子を尊重した「療育」が初めて出来るようになるのです。
「自閉症は治るのか。
」の問いに対して、答えは「ノー。
」です。
しかし、療育により、その程度を和らげ社会に適応できる能力を伸ばす事は十分に可能です。
治る。
治らない。
ではなく、適切な療育を施し、少しずつできる事を増やし、環境を整えてあげる事は、自閉症の子が少しでも生きやすい未来へとつながる一歩になるでしょう。