新生児期には難しいが、0歳のうちに自閉症の特徴は見つけられる
自閉症は、先天性の発達障害です。
脳の機能がうまく働かず情報を整理して認知することが難しいのです。
脳の障害であり、心の病気ではありません。
原因ははっきりわかっていませんが、胎児期の中枢神経の発達途上で、何か問題が生じたと考えられています。
育て方や環境によって生じるものではありません。
自閉症児には次のような特徴的な症状が見られます。
1)多動じっとしていられず落ち着きがありません。
目的も無く動き回ったり突然走り出すなど、目が離せません。
2)こだわりいつも同じ状態であることに強い執着があり、決まった行動、習慣にこだわります。
同じ動作を何度も何度も繰り返します。
3)意思疎通が困難何か要求するときは、相手の手をつかんで引っ張っていくような行動をとります。
4)感覚異常五感の感覚の処理が脳でうまくできないため、過敏であったり、逆に鈍感で痛みを感じなかったりします。
5)睡眠異常睡眠のリズムが定まらず、成長しても新生児のように2時間起きに目覚めるなど、リズムの乱れが続きます。
症状は生後早い時期から現われます。
新生児の間に発見するのは難しいですが、早ければ生後2ヶ月か3ヶ月の時期には症状に気づくこともあるようです。
自閉症は、一般には3歳ころまでは正確な判断が難しいと言われています。
軽度であれば、そのころまでは健常児とほとんど変らないことも珍しくありません。
それでも、0歳児の段階から症状に気づくことはできます。
新生児期はほとんど眠っているので難しいですが、生後3ヶ月ごろともなれば、起きている時間が増え、まわりの人とコミュニケーションをとるようになります。
そこで何かおかしいという感じがあるのです。
生後3ヶ月ごろならば、まず、母親と目をあわせようとしない、抱くと嫌がる、笑わないという症状が見られます。
さらに生後6ヶ月ごろになると、常に動きたがり落ち着きが無いことがはっきりしてきます。
抱かれている場合も周りを見回していて、母親の目を見ようとはしません。
またこの時期には人見知りが始まりますが、全く人見知りをせず、抱っこをせがむこともなく、母親の姿が見えないと泣いて後を追いかけるといった行動もとりません。
1歳ごろには言葉が出ない、周囲への関心が薄い、名前を呼んでも反応しない、親やまわりの人の真似をしないなどの症状が目立ってきます。
これらの症状に気づいたら、かかりつけの小児科医や乳幼児健診で相談してみましょう。
自閉症は完治することはありませんが、早くからそれにあわせたしつけや教育を受けることで、その子自身の成長を助けることにつながります。